北アルプス白馬連峰の山開きを告げる歴史ある山岳イベント。コロナ禍を経て、今年は振る舞いも含めた通常開催となりました。毎年恒例の地元ガイド「白馬山案内人組合」と行く白馬大雪渓記念トレッキングや、1泊2日で白馬村のシンボルでもある白馬三山を縦走する「白馬三山縦走登山ツアー」、白馬岳を滑る「白馬岳山岳スキーツアー(上級者向け)」が開催されました。
今回は、人気の高い白馬大雪渓記念トレッキングの様子をご紹介。標高1,250mにある猿倉荘から大雪渓下部までのトレッキングツアーです。5月27日(土)晴天で山からの心地よい風が吹き下ろす猿倉荘駐車場。アルプホルンの演奏でオープニングを迎え、安全祈願を執り行い、いざ白馬大雪渓までトレッキング。猿倉荘前ではコーラス隊がお見送り。
あ、ムラオも一緒にお見送り。
今年は昨年より積雪が少なく、林道も歩きやすくなっています。あたりは新緑の季節。あちらこちらに山野草が芽吹いています。
歩き始めて少しするとニリンソウの群生がお出迎え。
雨などの水滴に濡れると花びらがガラスのように透けるサンカヨウも至る所に咲き、見ごろを迎えています。
当日は山の稜線にガスが立ち込め、白馬岳のピークを拝むことは出来ませんでした。約1時間30分程で白馬尻小屋へ到着。(※2023年白馬尻小屋は営業しません。猿倉荘を出発後はトレイもありませんのでご注意を。)例年であれば雪の下に埋まっている「おつかれさん!ようこそ大雪渓へ」の岩も今年はすでに顔を出しています。
雪渓の冷気を纏い吹き下ろす風は、汗ばんだ体を一気に冷ましてくれる、まるで天然の冷蔵庫。雪渓の端にはシラネアオイの群生が見られました。日の光を浴びるように勢いよく咲き、薄紫色の花びらが輝いています。※大雪渓を歩く際は大変滑りやすいため、軽アイゼンを履くことをお勧めします。猿倉荘にてレンタルもありすので、ご参考までに。
天然の冷蔵庫の涼しさを味わい下山。復路は状況にもよりますが約50分程です。猿倉荘の前に着くと良い香りが漂ってきました。これまでコロナ禍で中止となっていた豚汁と山菜の天ぷらの振る舞いが今年は行われました。
ウド、ギョウジャニンニク、ヤマミツバ、ウルイ等、目の前には山のお宝たち。程よい疲労感に豚汁の塩分が染み渡り疲労回復。天ぷらもありがたく頂きました。
日本では最大規模の雪渓と言われる白馬大雪渓。後立山連峰にある日本百名山の一座で、白馬岳への登山口でもあります。本格的な登山ではなく、気軽に行けるトレッキングコースとしても大変人気です。長時間の歩行や、本格的な登山は苦手という方でも大雪渓の入り口までは道迷いや急登などもなく、安全に楽しめます。初夏の雪渓歩きは涼やかな気分にさせてくれますので、ぜひこの時期に白馬の大自然を味わってみてはいかがでしょうか。
白馬村観光局では7月〜8月にかけて大雪渓を巡るマイスターツアーも実施していますのでぜひご利用ください。